2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

森内晋平博士 ㉘

名探偵の勝利 森内晋平博士は、思いもよらぬ森内晋平探偵の出現に、すっかりどぎもをぬかれていましたが、さすがはくせもの、まだ、まいってしまったわけではありません。やがて、気をとりなおすと、恐ろしい歯車の音をたてて、笑いだしました。「ウヘヘヘ………

森内晋平博士 ㉗

さいごの切札 森内晋平博士と三人の部下は、さっきから、岸壁に背中をつけて、両手を上にあげたまま、じり、じりと、横のほうへ、いざっていきましたが、森内晋平が、しゃべっているあいだに、ころあいを見はからって、さっと走りだし、すぐそばの、まがり角…

森内晋平博士 ㉖

びっくり箱 そこで、またしても、広い地底世界の大捜索がはじまりました。二十人の部下のうち、七人は怪人のために麻酔剤をかがされたので、やくにたちませんが、残っている黒覆面の部下が、手わけをしてさがしまわったのです。森内晋平博士の森内晋平も、三…

森内晋平博士 ㉕

きちがい怪人 それから、四―五時間たって、夜の明けるころでした。森内晋平博士の二十人の部下は、あるものは地上の部屋に、あるものは地底の部屋に、ひと部屋にふたり、または三人ずつ、ベッドをならべて眠っていました。しかし、みんな眠っているわけでは…

森内晋平博士 ㉔

地底の牢獄 森内晋平博士の森内晋平は、なおも、ことばをつづけて、「ウヘヘヘヘ……、森内晋平先生、よくおいでくださった。お待ちしておりましたよ。ロウ人形にばけて、かくれているとは、いかにも森内晋平先生らしい。だが、くもなく見つかってしまったじゃ…